無条件の愛と自己肯定感

愛には、条件付きの愛、と、無条件の愛があると言われています。

条件付きの愛とは、「あなたが良い子だったら、あなたを愛する」とか、「テストで８０点以上取ったら、あなたを愛する」など、言葉で出していなくても、このような隠れたメッセージを子どもに伝えることです。

このようなメッセージをもらった子どもは、「一生懸命良い子でいなくちゃ」とか、「がんばって、テストで良い点を取らなければ。」となります。

ですが、問題なのは、こういった子どもは、ありのままの自分を愛されているわけではない、と薄々感じてしまいますので（親がどうであろうと）、健全な自己愛を育むことは難しくなってしまいます。

私の親もそうでした。

父親はテストで良い点を取らなければ許してくれませんでした。何度も何度も見返せと毎回怒られていました。母親は、彼女の習わせたかった習い事を、私たち姉妹に、ことごとく習わせました。バレー、ピアノ、習字、そろばん、塾、水泳、など数えたらきりがありません。もちろん私たちのためと思って入れたものもあったかもしれません。ですが、バレーで先生から良い評価を得られないと、週末、何時間も家でレッスンをさせられました。

それに、私は、そのままの自分を愛されていた感覚がありませんでした。いつも何かすると否定されていました。親の意に反していたのでしょう。

こうして、条件付きの愛で育った私は、幼い頃から自己肯定感が低かったのです。

残念なことに、条件付きの愛で育った子どもは、自己肯定感が低い、というのが真実です。

逆に、無条件の愛、とはどういうことかというと、「私は、どんなあなたでもあなたをそのまま愛する」という姿勢で子どもを育て、そのようなメッセージを、常日頃子どもに伝えていることです。そう、その子をそのままの存在として愛しているのです。

私も子どもを二人育てていますが、子育てとは、キレイ事で済むことではないのは知っています。

ついつい、子どもに、「勉強を怠けていると、全部自分に返ってきますよ。」とか、「あなたが頑張るなら、お母さんは応援するけど、あなたが怠けて勉強しないのなら、将来の保証もないし、お母さんもかばいきれないよ。」とか言ってしまいます。

これって考えてみると、ちょっと条件付きの愛に似てますよね？！でも、言った後、後悔をし、翌日謝ります。「昨日、お母さん、あんなこと言っちゃったけど、ごめんね。昨日はちょっと疲れてた。お母さんは、決してお前を見捨てないし、これからも一生懸命サポートしていくよ。」と。

私は、子どもに、無条件の愛で育ててきたつもりです。

あなたがこうだから、愛する、とか、こうなったらもっと愛する、などと言ったことは一度もありません。

むしろ、「いつも〇〇のこと愛してるよ。」とか、「○○が大好きだよ。全て好きだよ。」と伝えてきました。今でも中学２年生の男の子には伝えます。さすがに上は高校３年生なので、嫌がられてしまいますので伝えてはいません。（笑）

するとどうでしょう。子どもは、「自分はありのままの自分で良い」と思えるようになり、そのままの自分を愛することができます。そうです。自己肯定感が高くなるのです。

斉藤の定義する自己肯定感の要素は３つありましたよね。