毒親の特徴

毒親とは、多くの場合、子どもにひどい心的外傷を負わせる親のことを言います。子どもへの虐待やネグレクト、過保護、過干渉など、子どもが自立できないような育て方をする親たちのことを言います。

私は、親の役目は、最終的に子どもが自立できるよう手助けすることだと考えます。これを出来ない、させないのが、毒親の最大の特徴だとも思っています。

毒親の存在は、子どもの成長と心理的健康に悪い影響を及ぼすものであり、そういった子どもは成長すると、精神疾患を患ってしまう人もいます。

また、過保護や「あなたのため」という言葉の裏に隠れた管理と支配、子どもの行動への過度な干渉、そして彼らに罪悪感を感じさせる能力など、その特徴はさまざまです。

これらの行動は、子どもが大人になっても続くことが多いのが特徴です。

親もいつか歳を取ります。そして介護が必要になるかもしれません。そんな時、毒親に育てられた私たちは、どうしたら良いのでしょうか?

このセクションでは、毒親の特徴とその影響について深く探ることで、介護の際に自己肯定感を保ちながら、自分の生活を守る方法を検討します。

子どもに対して過保護

毒親の中には、子どもに対して過度に保護的である親がいます。この過保護は、外部のリスクから子どもを守るためではなく、親の不安や自身のコントロール欲求からくるものです。過保護は子どもの自立を妨げ、自分の判断力や決断力を磨く機会を奪います。

私に近い人は、まさにこの過保護のおかげで、60歳を超えた今でも、親と同居し、90歳を超えた親に依存して生きている人がいます。この人は、親が過保護だったおかげで、親の敷いたレールを、ただひたすら歩き続けた人です。おかげで、今は、ガールフレンドも友達もいなく、親が死んだら天涯孤独の状態で、見ていてとても哀れです。

「あなたのため」が口癖

毒親は、子どもに対しての制限や介入を「あなたのために」と主張することが多いのです。しかし、これは多くの場合、親自身の都合や願望を子どもに押し付ける言い訳となっています。

私の元クライアントさん(女性・30歳代)も、母親に「あなたのため」と言われ、外出するときにもどこに行って、何時に帰るか、毎回聞いていました。そしてその約束の時間に遅れると、携帯に何度も電話がかかってきました。おかげで、彼女は買い物依存症やタバコ依存症となり、精神的にやられてしまいました。今、彼女はカウンセリングを通して、健康なメンタルの女性に成長しました。

子どもを管理・支配する

管理や支配の欲求は、親が子どもに自分の価値観や生き方を強要する背景になります。子どもが独自の意見や感情を持つことを許さず、親の期待に応えることを強いるため、子どもは自分の感情や意見を抑圧し続けることになります。

私の父が、まさにこれでした。私の父は、私たち子どものことを、自分の「モノ」だと思っていました。ですので、私たちが父の言った通りにしないと、怒鳴り、怒り、酔ったときには暴力をふるい、本当に怖かったのを覚えています。

行動のひとつひとつに対して過干渉

毒親は子どもの行動や選択に対して、過度に干渉します。これは、親が子どもの独立性を認めず、自分の考えや意向を強制しようとする結果です。

子どもに罪悪感を植え付けさせる

毒親は、子どもが自分の期待に応えられないと、罪悪感を植え付けることでコントロールを試みます。このような感情的な操作は、子どもの自尊心や自己評価に大きなダメージを与えます。

私がアメリカ留学時代、カウンセリングを勉強していた頃の話です。当時、カウンセリング心理学を教えてくださっていたのは、マサチューセッツ州の大きな精神病院で精神科をしていた先生でした。

そこで、先生はとても興味深い話しをしてくれました。ある患者の母親は、娘をコントロールし、罪悪感を与えるのが得意でした。彼女は母親から、タバコを吸うと火事になるから、絶対タバコを吸うなと言われていました。そして、彼女が病室でタバコを吸った直後、皮膚に火事で起きるただれのようなものが出来始めました。先生は、それは、母親の娘に植え付けた罪悪感のせいでこうなったのだ、と言いました。まさに、心と身体は一体なのですね。

大人になっても口出しを続ける

多くの毒親は、子どもが大人になってもその介入を続けます。結婚、キャリア、生活スタイルの選択など、大人になった子どもの決定に対しても意見や批判を続けることで、子どもの自立を妨げ続けるのです。

こういった親は本当に困りますね。でも親はこうし続けることで、子どもの自立を妨げ、自分から自立できないようにしているのです。こういった親は、子どもが自立し、自分から離れていくのを恐れているのです。

毒親の介護が始まったときの対処法

毒親の介護を始める際、多くの人は心の中で葛藤を抱えます。長年の感情や過去の経験が蘇り、どのように対処すれば良いのか迷いが生じることも。

一方で、親の介護を避けることが心の健康に良いのか、それとも関わることで何かを得ることができるのか。

また、見捨てる選択をすると、それに伴う罪悪感や後悔は避けられるのか。

このセクションでは、毒親の介護が始まったときの対処法を2つの主な論点、「関わる」または「見捨てる」という視点から詳しく探っていきます。

私も父(毒親)の介護に関わった経験がありますので、私の経験・知見も皆さまにシェアできると思います。

 

関わる

毒親との関わりを継続する選択をする場合、その背景には様々な理由や動機があります。

ある人は親子の絆や家族としての責任を感じるため、関わり続けることを選ぶかもしれません。また、自分の内面の傷を癒す過程として関わることを選ぶ人もいます。

しかし、関わることを選んだ場合、その過程で自分の精神的健康や自己肯定感を保護する方法を見つけることが重要です。具体的には、カウンセリングやセラピストとのセッションを利用する、サポートグループに参加するなどの方法が考えられます。

私の場合、父を「見捨てる」という選択肢も考えたことがありました。ただ、妹が父を介護することを決め、一生懸命に父の介護をする姿を見たとき、その選択肢は消えました。

私も難病だった父を病院に連れていき、診察に付き合い、また、救急車で運ばれたときなどは、夜中でも構わず、病院に急行していました。

そして、最後、私たち家族で、病院で、最期、父を看取ることができました。私にとって、この経験はとても貴重なものでした。

私自身は、この体験を後悔していません。むしろ看取って良かったと思っています。

ただ、介護士の人たちは、皆一様に、「介護は歴史だ。」と言います。今までの親との関わりがどんなものであるかが、子どもが親をどのように介護するかに関わってくるという意味です。

見捨てる

一方、毒親との関係を断つ、いわゆる「見捨てる」選択も、一つの有効な対処法となる場合があります。

もちろん、この選択は簡単ではなく、罪悪感や後悔、他者からの非難などの感情やプレッシャーに直面することが予想されます。

しかし、長期的に自分の精神的健康や生活の質を維持するためには、距離を置くことが必要と感じることもあるでしょう。

この選択をする場合、自分の判断や感情をしっかりと受け入れ、必要に応じて専門家のサポートを求めることが重要です。

私のクライアントさん(女性・50代)は、ひどく暴力的だった父を介護するための選択肢を最終的には捨て、今、全面的に行政などのお世話になっています。父親からの電話も着信拒否をし、親からの介護に距離を取っています。そうすることで、彼女は心の安定を取り戻しています。

また、私の別のクライアントさん(女性・60代)も、ひどく暴力的だった父親の介護を他者に任せ、連絡役を夫にお願いし、今は心の安定をはかっています。彼女はうつになり、2か月間入院するはめになったくらい、父親の影響を受けていました。今、彼女は、私とのカウンセリングで自分を取り戻しつつあり、心が平穏な状態でいます。

毒親の介護をする場合の注意点

毒親との関係にある中での介護は、多くの人にとって非常に複雑な挑戦となります。毒親への恨み・つらみがまだ残されている人にとっては、これはとても大きな挑戦となります。

介護の過程で自己肯定感や精神的健康を維持するためには、いくつかの重要な注意点を心に留めておくことが必要です。

自分自身を第一に考えること、介護の範囲を明確に線引きすること、そして介護活動が自分の生きがいにならないようにバランスを取ること。

これらのポイントは、毒親の介護を行いながらも自分の生活を守るための鍵となります。このセクションでは、これらの論点を詳しく探り、より健全な介護の方法を模索します。

第一優先は自分自身

毒親の介護を行う際、最も大切なことは自分自身の健康や幸せを第一に考えることです。過去の経験や感情が介護の中で再燃しやすく、その影響で自己肯定感が低下することもあります。心と体の健康を維持するためには、定期的にセラピストやカウンセラーとのセッションを持つ、または信頼できる人に自分の感じていることを話すなどの方法を取り入れることが有効です。

私の場合、親の介護をしているとき、既に父親への恨み・つらみはカウンセリングによって処理されていました。ですが、夫や子どもたちに、自分の感じたことや経験をシェアしていたような気がします。特に、夫には、父親にこう言われた、あんなことを言われて腹がたったなどといったことを伝え、自分だけの問題にしないようにしていたと思います。

どこまで関わるかを線引きする

毒親の介護において、どこまでの範囲で関わるかの境界を設定することは非常に重要です。これは、自分の心の健康を守るためのシールドとして機能します。具体的な線引きの例としては、訪問の頻度や期間、介護の具体的な内容などを事前に明確にしておくことが考えられます。

「介護が生きがい」にならないように注意

介護は多くの時間と労力を要するため、それが中心となりがちです。しかし、毒親の介護が生活の全てとなってしまうと、自分の趣味や興味、関心を疎かにしてしまう危険性があります。

これを避けるためには、自分のための時間を確保する、趣味や興味を追求する時間を持つなど、日常生活の中でバランスを取る努力が必要です。

特に、毒親の介護をしている時に大切になるのは、「セルフケア」です。セルフケアとは、自分を大切にする行為のことを言います。ただひたすら寝る、半身浴をする、アロマを炊くなど、自分にとって心地よいことをするようにしましょう。そうすると、自分の心と身体がリラックスし、解放されていくのを感じます。

毒親の介護を放棄する場合は地域の相談員と話し合いを

毒親の介護を続けることが自分の精神的、物理的健康に悪影響を及ぼす場合、介護を放棄することを考慮するかもしれません。

しかし、突然の決断は後悔や罪悪感の原因となる可能性があるため、慎重に行動することが重要です。

地域の相談員や専門家との話し合いを通じて、適切なサポートやアドバイスを受けることで、より良い選択をすることができます。地域の相談員は、代替的な介護サービスやリソースを提案してくれるだけでなく、あなたの感じている感情や葛藤を理解し、心のサポートも行ってくれるでしょう。

 

まとめ

親の介護というのは、どの人にもいつか訪れる問題です。それが、毒親と言えば、考えさせられることが多いでしょう。

毒親の介護をすると決めた人は、毒親と一定の距離を持ち、どこまでの介護をするのか、しっかりと線引きすることが必要となってきます。

また、毒親の介護を放棄する人も、決して自分を責めてはいけません。自分を責めてしまいそうな時は、地域のサポーターや、カウンセラーとカウンセリングを受けて、自分の気持ちと冷静に向き合っていくことが必要です。

そうして、自分の替わりに介護を引き受けてくださる人がいるのも、今の世の中です。

もし毒親の介護をして、逆に虐待してしまう、なんていう話しも聞かないわけではありません。それを防ぐためにも、しっかりと自分の気持ちに向き合い、自分はどういった選択をしたらよいのか、考えられると良いですね。

毒親の介護をするにしても、しないにしても、自分で決断したことです。

あとは、決して孤立することなく、周りの力やサポートを得ながら、介護に携わっていくのが最良かと、自分の経験からも言えます。

どうぞ、あなたは1人だと思わないで。大丈夫。周りには、あなたをサポートしてくれる人が沢山いるはず。どうか孤独にならないで。孤立しないで、毒親の介護と向き合っていっていただけたら、と思います。

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