共依存とは、お互いが精神的にはなはだしく不健康に依存しあっている関係のことをいいます(「毒になる親」スーザン・フォワード著)。

この記事では、共依存の原因や特徴、そして自己診断に使えるチェックリストを紹介します。共依存に陥っている可能性がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

共依存とは

共依存とは、自己の要求や欲求を犠牲にして他人に依存する心理的状態のことを指します。共依存の特徴として、①相手に合わせすぎる、②自分の感情や欲求を抑えてしまう、③自分自身の幸せよりも相手の幸せを優先してしまうなどが挙げられます。共依存の関係にある人々は、お互いに依存し合いながら、しばしば不安やストレスを抱えることになります。そして、健全な関係を育むことや、個人の成長を阻害する場合は、その関係性に問題が生じることもあります。

共依存の歴史

共依存の概念は、アルコール依存症の治療に携わる心理学者の一人であるメロディ・ビーティによって提唱されました。彼女は、アルコール依存症に悩む人々の周りにいる家族や友人たちにも、共依存の傾向があることを指摘しました。共依存の概念は、その後、様々な依存症に関する問題にも使われるようになりました。

共依存の定義

共依存は、自分自身の欲求や感情を無視して、他人の欲求や感情に合わせてしまう傾向がある心理的状態を指します。共依存の人々は、しばしば自己評価が低く、自分自身を犠牲にすることで、他人からの承認や愛情を得ようとします。また、共依存の人々は、相手に過度に依存しているため、相手の行動や感情に左右されやすく、不安やストレスを抱えることがあります。

共依存を起こす5つの核症状

共依存を引き起こす5つの核症状には、①他人の意見や感情に合わせること、②自分自身を犠牲にすること、③相手の問題を自分の問題として扱うこと、④自分自身の問題を放置すること、そして、⑤自己否定的な思考や感情を持つことがあります。これらの症状は、共依存の人々が自分自身を犠牲にして、他人に合わせすぎることで生じます。

自尊心の問題

自分自身を犠牲にして他人に合わせすぎるため、自分自身に対する評価が低くなってしまうことがあります。また、共依存の人々は、自分自身の欠点や失敗について厳しく自己評価を行い、自分自身を責める傾向があることも特徴的です。

私も自己肯定感が低いときはそうでした。あまりに相手に合わせ過ぎるため、いつも「自分はみじめだ…」と思っていました。相手に合わせすぎるために、自分自身を見失い、自尊心を低めていたのだと思います。

境界の問題

自分自身と他人の間に明確な境界線がなく、自分自身と他人を区別することが困難になっていることがあります。これにより、自分自身の問題や欲求を適切に扱えず、相手に依存してしまうことがあります。自分と相手との境界線があやふやだと、自分自身を強く保っておくことができないのです。そうして、最後には相手に依存した状態になってしまいます。

現実性の問題

自分自身や相手の問題を過度に理想化したり、問題を解決するための現実的な方法を見落としたりすることがあります。また、共依存の人々は、自分自身が何を望んでいるかをはっきりと理解していないため、他人に依存してしまうことがあります。これは、まさに「自分がない」ことを指します。自分自身がないと、「他人任せ」になってしまうのです。

依存の問題

他人に依存しすぎて、自分自身が犠牲になってしまうことがあります。共依存の人々は、自分自身を犠牲にして相手を支えることが目的になってしまい、相手からの承認や愛情を得るために自分自身を犠牲にすることがあります。自己肯定感が高いと、相手の承認を得ることは必要ないのですが、自己肯定感が低いと相手や周りの承認を欲しがり、そのために頑張ってしまいます。

中庸の問題

共依存の人々は、自身の感情や意見を適切に表現できず、他人との衝突を避けたいあまり、自分自身の感情や意見を抑え、相手に合わせることがあります。また、共依存の人々は、自分自身の感情や意見を表現することができず、他人に依存して解決策を見つけようとすることがあります。

共依存になりやすい状態

共依存になる可能性が高い状態には、
①アルコールや薬物の乱用者との関係がある場合、
②虐待的な家庭環境で育った場合、
③身体的、性的、または心理的な虐待を受けた経験がある場合、
または
④不安定な家庭環境での養育環境がある場合が挙げられます。
また、
⑤自分の中の何かが欠けており、他人とのつながりを極度に求める傾向のある人物も、共依存になりやすい傾向があります。

家族関係

親が子どもに対して過保護になり、子どもに自己肯定感を育ませず、自分の価値観に従わせるような育て方をすると、その子どもが共依存的な人格を形成する可能性が高くなります。

私のクライアントAさん(30代・男性)も、母親に支配的に育てられている環境にいました。いつも母親の言うことを強制的に聞かされ、従わされ、本人いわく「まるでカゴの中の鳥」でした。そのため幼い頃より、非常に不安定で、自己肯定感も低く、何より人に依存的でした。相手の言うことを聞き、相手の機嫌を取り、自分よりも相手を優先していました。そういう人でしたので、恋愛も上手くいかず、職場でもいいように扱われていました。

ある日、一念発起したAさんは、私の元を訪れました。そして、カウンセリングを始めたのです。彼は自分がどれほど母親に依存的になっていたのか(されていたのか)気付くことができ、少しずつ自分自身のことを理解していきました。そして、最終的には実家から引越し、一人暮らしを始めました。ほどなく、素敵なパートナーが見つかり、結婚するに至りました。その彼女との関係はとても健康的なもので、子どももでき、彼は今自分の家族を持てて幸せだと言っています。

恋愛関係

例えば、相手の意見や感情に過剰に反応し、相手に合わせすぎることで、自己肯定感が低下し、相手の意見や感情が優先されるようになります。また、相手に依存しすぎることで、自分自身の問題を放置し、相手に責任を転嫁する傾向があります。また依存的な関係では、一方が支配的で、他方がそれに服従する関係性が生まれます。そうしたことで、健康的な関係性を構築できません。これでは一見上手くいっているようでも、その関係は必ず破たんします。

職場関係

例えば、上司や同僚との関係で、部下は自分自身の意見を抑え、上司に合わせすぎることがあります。また、職場での評価や承認を求めるあまり、過剰に働きすぎる傾向があることも上司と部下、または周りと自分との共依存の関係性につながる可能性があります。

共依存度チェックリスト

このチェックリストは、共依存的な傾向があるかどうかを判断するために利用されます。チェックリストはあくまでも参考となるものであり、自己診断に基づいた治療や診断はせずに、専門家に相談することをおすすめします。

 

(自己肯定感)

  • 私は他人からの承認や評価がないと、自分を価値ある人間だと感じられない。
  • 自分には欠点が多く、完璧でなければならないと感じている。
  • 自分自身を好きになることが難しいと感じている。

(他者への過剰な配慮)

  • 私は他人に合わせることが多く、自分の意見や欲求を抑えてしまう。
  • 相手に嫌われたくないと思って、自分の意見や感情を言えないことがある。
  • 他人の問題を自分の問題として考え、解決しようとすることがある。

(境界の問題)

  • 私は自分と他人の間に境界を設定することが難しいと感じている。
  • 他人の問題が自分の問題になってしまうことがある。
  • 自分の感情や欲求が他人の影響を受けやすいと感じている。

(依存)

  • 私は他人に頼らないと、自分の生活が成り立たないと感じている。
  • 他人の承認や評価がないと、不安や恐怖を感じてしまう。
  • 他人の問題を解決することで、自分自身の問題から逃れようとすることがある。

(現実性の問題)

  • 私は自分自身や他人に対して、現実的な期待を持つことが難しいと感じている。
  • 問題を正確に把握し、適切な対処をすることが難しいと感じている。
  • 現実的な目標を設定することが難しいと感じている。

 

自己評価の結果、多くの「はい」があった場合、共依存的な傾向がある可能性が高いです。

共依存から抜け出す方法

共依存から抜け出すためには、まず自分自身を知り、自分を大切にすることが大切です。自分自身に向き合い、自分の欲求や感情を認め、自分自身に責任を持つことが必要です。また、専門家のカウンセリングやセラピーを受けることも効果的です。自分の問題について話すことで、新しい視点を得ることができます。

距離を置いたり別れたりする

相手に依存していることが自分にとって良くない場合は、自分自身を守るために、距離を置いたり、別れたりすることが必要です。しかし、別れることが難しい場合は、相手との付き合い方を変えることが必要です。これには心理的な距離を取る、コンタクトを控える、物理的な距離を取るなどが挙げられます。

自分を大切にする

共依存から抜け出すためには、自分自身を大切にすることが必要です。自分自身に価値があることを認め、自分自身を大切にすることが重要です。自分自身の欲求や感情に正直に向き合い、自分自身を守ることが求められます。

カウンセラーや友人に相談する

共依存から抜け出すためには、専門家のカウンセリングや、信頼できる友人に相談することが大切です。自分自身の問題について話すことで、新しい視点を得ることができます。また、専門家や友人のサポートを得ることで、共依存から抜け出すための策を立てることができます。

共依存は抜け出せられる

共依存から抜け出すことは可能です。自分自身を知り、自分自身を大切にすること、相手との距離を置いたり、時には勇気を出して共依存の相手と別れたりすることが必要です。

また、専門家のカウンセリングやセラピー、友人のサポートを受けることで、共依存から抜け出すことができます。共依存から抜け出すことで、より健康的な関係を築くことが出来るようになります。

また、自己肯定感を高め、自分の感情や思考に注意を払い、自分自身を知ることも大切です。まさに、自分を正直に、ありのまま受け止めることが大切です。また、自分のニーズや欲求を理解し、それを相手に伝えることも重要です。

 

カウンセリングや心理療法も、共依存から抜け出すために有効な手段です。専門家に相談することで、自分自身の問題に向き合い、解決することができます。共依存の人の場合、明らかに自己肯定感が低いなどの問題があります。共依存から抜け出すためには、まずなぜ自己肯定感がこれほどまでに低いのか、について自分と向き合う必要があります。また、信頼できる友人や家族に相談することも、共依存から抜け出すために役立ちます。

 

まとめ

共依存は抜け出せるということも覚えておく必要があります。自分自身を理解し、自分自身を大切にすることで、より健康的な関係を築くことができます。また、専門家や信頼できる人に相談することで、共依存から抜け出すための道を見つけることができます。

 

あなたへのメッセージ

私は、アルコール依存症の父の元で育ったので、家族間では完全に依存症でした。父に、妹に依存し、依存されていました。

また、恋愛依存症でもありました。すぐに人を好きになり、相手の一挙一動に敏感に反応したりしていました。依存症でしたので、多くの関係は長続きすることなく終わりました。

依存症だと、まさに「自分がない状態」で、相手に合わせてばかりいるので、疲れます。また、相手に依存していますので、「自分がない」のです。これでは、幸せな状態とは言えません。

もしあなたが今、自分で意識できる程の依存症に悩んでいるとしたら、専門家のセラピーを受けることをお薦めします。

専門家のセラピーを受けると、なぜあなたがそれほどまでに過剰な依存症なのか、そして、その不健康な関係を断ち切るにはどうしたら良いのか、カウンセリングし、アドバイスを受けることができます。そうして、あなたは、健康的な関係を築くことができるようになるのです。

私はかつて依存症でしたが、カウンセリングを受け、自己肯定感を高めることによって、自分自身を取り戻し、依存症を脱却しました。

もし悩んでいたら、あなたはいつでも、私の元で歓迎されていることを忘れないでいてください。

引用元一覧

「毒になる親」スーザン・フォワード著 講談社

 

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