自分が嫌いなことは悪いことではない
自分を嫌う感情は、一般的には「ネガティブ」とみなされがちです。しかし、その感情が生まれる背景には、過去の経験や他者との比較、社会の価値観など多岐にわたる要因が影響しています。
自分を嫌うことは、実は「自己認識の一部」ともいえるのです。この感情を抱えることで、自分自身を深く知るきっかけになり、成長への道筋を見つけることもできます。
問題なのは、この感情に捉われてしまうこと。対処法としては、自分の感情を受け入れることから始めることが大切です。そして、その感情を超えて、自分の価値を再確認し、肯定的な自己認識を持つことを目指しましょう。
自分が嫌いで苦しいと感じた時に投げかけてみる質問
「自分が嫌い」と感じる時、その背後には様々な要因が隠れています。時には、一つの事件や出来事に固執してしまうことで、全体の視点を見失うことも。
そんな時、自分に対して幾つかのシンプルですが深い質問を投げかけることで、その感情の原因を浮き彫りにする手助けとなることが期待されます。質問を通して、自分の感情や行動の背後にある思考パターンを明確にし、自己認識を深めるステップを踏みましょう。
1. 自分を否定しすぎていないか
多くの人は自らの欠点や過ちを強く意識し、それに固執してしまうことがあります。一方で、自分の良い部分や成功体験は見過ごされがちです。このアンバランスな自己評価は、自己否定の原因となり得ます。日常の中で、小さな成功体験や自分を褒める瞬間を増やすことで、バランスの取れた自己評価を目指しましょう。
私は自己否定の強いクライアントさんには「長所ノート」を作っていただきます。毎週最低3つ、自分の長所をノートに書いてきてもらうのです。最初は中々出なかった人でも、カウンセリングが進むと、次から次へと自分の長所が浮かび上がってくるものです。そうして、後に、再び自己否定に走ったとき、このノートを読み返すことができます。
2. 叶いそうにない期待をしていないか
人は時折、自らに厳しすぎる目標や期待を持つことがあります。その期待に応えられない時、自己価値を疑い始めることがあるでしょう。目標は高く持つことも大切ですが、達成可能なものであるか常に見直すことが必要です。
目標や期待は、確かに大切なものかもしれません。ですが、今必要なのは、自分が嫌いで、自己否定を繰り返すことなのです。ですので、目標や期待は高く持ち過ぎず、自分に優しいものにしてあげると良いかもしれません。
3. 誰かと比較していないか
他者との比較は、劣等感や自己否定の原因となり得ます。特にSNS時代には、他者の成功や幸せを目にする機会が増えています。しかし、他者との比較は公平ではありません。自分のペースで成長を楽しむことが大切です。
SNSを見ると、今や人の幸福そうな動画や画像が沢山出てきます。でもそれも本当かは分かりません。人と自分を比較するほど、愚かなものはありません。なぜなら、自分は憧れるその人にはなれないからです。人を羨んで時間を費やすのではなく、自分がどうやったら、幸せになれるかに、注力した方が良いでしょう。
4. 過去の出来事で深く後悔していることはないか
過去の過ちや後悔は、自己評価を低くする大きな要因です。過去は変えることができませんが、その経験から学び、未来をより良くする努力をすることは可能です。
5. 自分が嫌いと考えることが習慣化されていないか
繰り返し自分を否定する言葉や思考は、脳にパターンとして刻まれてしまいます。この習慣を断ち切るためには、ポジティブな自己アファメーションを繰り返し唱えることで、新しい思考パターンを築くことが推奨されます。
よく親に言われた否定的な言葉が、ずっと頭から離れないという人がいます。私もそうでした。まるで呪いの言葉のようにずっと自分に語りかけてくるのです。「お前はダメだ。」「お前にはできない。」と。そうしてもっと自分が嫌いになっていくのです。
カウンセリングでは、この言葉を、クライアントさん自らから離していく作業をします。ご自身でも、これは親の言った言葉。これは私の言葉、と切り分けて考えていくのも良いかもしれませんね。
自分が嫌いで苦しいと感じてしまう原因
「自分が嫌い」という強烈な感情の背後には、多様な原因が存在します。それらは、成長過程の中で獲得した信念や価値観、過去の経験や周囲の影響に起因することが多いです。
一人ひとりが抱える原因は異なるものの、共通しているのは、これらの原因が心の中で錯綜して、自分自身に対する評価を歪めることです。このセクションでは、自己否定の背後に隠れた原因やそのメカニズムを明らかにし、それぞれの原因がどのように自己評価に影響を及ぼすのかを詳しく探ります。
1. 完璧主義
完璧主義は、自分自身に過度な期待を持ち、常に最高の結果を求める考え方を指します。この考え方が根付くと、小さな失敗や欠点に過度に焦点を当て、それを自分の価値そのものと結びつけてしまう傾向があります。
例えば、職場での小さなミスを、自分の能力の低さと捉えてしまうようなケースが考えられます。このような考えが続くと、次第に自己評価が低くなり、自分への信頼感が失われていきます。
また、常に完璧を追求するあまり、過度なストレスや疲れ、あるいは達成感を得られないという問題も生じやすくなります。長期的には、燃え尽き症候群などの健康問題を引き起こすリスクも増大します。完璧主義は、一見、高いモチベーションやプロフェッショナルさを持つ人の特徴と思われがちですが、その背後には自己評価の歪みや不安など、様々な問題が潜んでいることを理解することが重要です。
私も留学時代はかなりの完璧主義者でした。ですのでいつも苦しんでいました。どう考えても、他国の地で、違う言語で勉強するのですから普通の成績が取れれば上々なのに、100点満点でなければ満足しませんでした。時には自分の頭をたたき、自分を鼓舞したものです。結果成績は良かったのですが、精神的にも肉体的にも消耗してしまいました。
完璧主義を手放した今は、とても幸せです。ミスは誰だってするし、完璧でなくても、今のありのままの自分で良いと思えるからです。
2. ネガティブ思考
ネガティブ思考は、物事を悲観的な視点で捉える傾向を指し、これが強いと心の平穏や生活の質に影響を及ぼします。
例として、良好な関係を築いている友人からの連絡が途絶えた時、ただの多忙や他の要因を考慮するのではなく、「自分が嫌われたのでは?」と考えてしまうケースが挙げられます。
このような思考が繰り返されることで、自己評価の低下や孤立感、不安を感じやすくなる可能性が高まります。
継続的なネガティブ思考は、日常生活の楽しみやモチベーションの減少を招き、重い場合には抑うつのリスクも増えます。
この思考の背後には、過去の経験や周囲の環境、教育背景など様々な要因が影響していることが考えられるため、自覚した際は専門家の助けを求めることも考慮すると良いでしょう。
私もそうでした。例えば友人に電話をして返事がない場合は、「嫌われてしまったのでは?」とよく考える傾向がありました。私はこういったことが苦し過ぎて、カウンセリングを受けることにしたのですが、カウンセリングにより大分楽になり、こういったネガティブ思考が良くなったのを覚えています。
3. 劣等感・コンプレックス
劣等感やコンプレックスは、自分と他者を比較した時に自らを劣っていると感じる感情です。特定の能力や容姿、背景など、比較の対象は多岐にわたります。
例えば、友人の成功を知った時、自分も同じように成功していないと感じ、自己評価が下がる場合などが考えられます。
また、自らが持っていない特定の能力や特性を過度に理想化し、それがないことで自分の価値が低いと感じることもあります。劣等感やコンプレックスは、行動の制約や自己否定の原因となり得るため、自己認識と向き合い、自分の価値を再確認することが重要です。
4. 依存体質
依存体質とは、他者の評価、意見、感情に強く影響されやすい性格を指します。
依存体質の人は、自己の価値や意見を持つのが困難で、他者からの肯定や承認を強く求める傾向があります。
例えば、恋愛関係での過度な依存や、職場での業績評価を過度に気にするなどの行動が考えられます。
他者の評価や反応に過度に依存することで、小さな批判や拒絶に強く反応し、自己評価が大きく揺らぐことがあります。長期的には、自己の意志や考えを持つことの難しさや、他者との関係のトラブルが発生するリスクも増大します。
依存体質の背後には、過去の経験や家族背景などが影響していることが多く、その原因を理解し対処することが重要です。
私もそうでした。他者の意見や評価にものすごく依存していました。そのため、他者からの意見により、自分の人生における大切な決断に依存したり、あるいは大きく挙げられるのが「恋愛依存」です。
私も恋愛依存でしたが、特に女性の方で恋愛依存になる人は多いようです。恋愛を繰り返し、相手に嫌がられ、また恋愛をして失敗する…。こうなったら、カウンセリングを受けることをお薦めします。
5. 過去の失敗経験
人は過去の失敗や挫折を通して、多くの教訓や成長を遂げますが、その経験がトラウマとして心に残ることがあります。
例えば、公の場での失態や大きな仕事の失敗など、過去の出来事が現在の自己評価や行動に影響を及ぼすことが考えられます。その結果、新しいチャレンジやリスクを避けるようになる、自己評価が低下するなどの影響が現れることがあります。過去の経験を適切に受け入れ、その経験からの学びを活かすことが、前向きな自己評価を築くための鍵となります。
6. 低い自己肯定感
自己肯定感は、自分の価値や能力をどのように評価するかを示す指標であり、これが低いと自己評価が厳しくなる傾向があります。
自己肯定感が低い人は、他者からの批判や拒絶に敏感に反応することが多く、日常の小さな失敗や問題も大きな自己否定の原因となることがあります。
また、他者との関係性の中で自己価値を求めるため、人間関係のトラブルやストレスが増加するリスクも持ち合わせています。
7. いじめや拒否の経験
過去にいじめや社会的な拒絶の経験をした人は、そのトラウマが長く心に残りやすいです。
これらの経験は、自分の価値や社会的な位置を疑問視させ、自己評価の低下や信頼の喪失を招くことが多いのです。
例えば、学校や職場でのいじめの経験者は、新しい環境や人間関係に対して消極的になることが考えられます。また、過去の拒絶経験を持つ人は、他者との深い関係を築くことを恐れ、孤立する傾向があります。
これらの経験から立ち直るためには、適切なサポートやカウンセリングを受けることが大切であり、自らの経験や感情を正直に受け入れ、過去との向き合い方を学ぶ過程が必要です。
8. 周囲への過度な期待
他者への過度な期待は、その期待が裏切られたときに大きな失望感や自己評価の低下を引き起こします。特に親しい人や信頼する人に対しての期待が強い場合、その人の行動や言葉一つで自分の感情や自己評価が大きく揺れ動くことがあります。
例として、親や上司、友人からの一つの批判やアドバイスを、自分の全てを否定されたと感じてしまう場合などが考えられます。適切な期待値を持つこと、そしてその期待が裏切られた時の感情の処理方法を学ぶことは、健全な自己評価を保つために必要なステップとなります。
9. 思春期妄想症
思春期妄想症は、主に思春期に見られる症状で、過度に自己中心的で他者の視線や評価を過度に気にする傾向があります。
これが引き起こす過度な自己意識は、他者とのコミュニケーションの障害や自己評価の歪みを生む可能性があります。思春期は身体的、精神的な変化が激しい時期であり、自分自身のアイデンティティを見つける過程での混乱や不安がこの妄想症の背後にあることが多いのです。この症状に対する理解と、適切なサポートやカウンセリングが重要となります。
自分が嫌いで苦しいという感情を緩和する対処法
自分を受け入れることは、誰にとっても簡単なことではありません。特に、社会や他者との比較の中で自己評価が下がりがちな現代においては、自分を嫌いになる感情に直面することも多いでしょう。
しかし、それは永遠のものではなく、適切な対処法を取り入れることで緩和し、より前向きな自分を取り戻すことが可能です。このセクションでは、自分を嫌いと感じる時に取り組むべき具体的なステップや方法を提案し、その感情の捉え方や扱い方について深く掘り下げていきます。
1. むりやり好きになる必要はない
自分を強制的に好きになることは、実は逆効果であることが多いものです。無理に自分の感情や考えを抑え込むことは、ストレスや心の疲れを増加させる可能性があります。大切なのは、自分を嫌いという感情を受け入れること。それが現在の自分であると認め、その感情と向き合うことで、徐々に受け入れや理解の道を歩むことができるのです。
2. 褒め言葉を素直に受け入れる
他者からの褒め言葉や感謝の言葉を素直に受け入れることは、自己評価を向上させる一つの方法です。日常の中で、他者からのポジティブなフィードバックや称賛を受けたとき、それを無視するのではなく、心の中でその言葉を受け入れることが大切。
人から褒められたら素直に「ありがとう」と伝えましょう。褒めた相手も喜ぶし、自分でその誉め言葉を受け入れるだけで、自己肯定感も上がっていくかもしれません。褒められて「いやいや自分なんて…。」というよりも、素直に喜んだ方が相手も嬉しいものですよ。
3. 自分に優しくする
自分を責めすぎず、自分の感情や考えに耳を傾けることで、内なる声との対話を深めることができます。例えば、自分の過去の失敗や不安に対して、他者が同じ経験をしたときにどう接するかを想像し、その態度で自分自身に接することが自己肯定感の向上につながります。
自分にそっとブランケットをかけてあげましょう。それは内面的にも、外面的にも言えることです。自分に優しく接してあげましょう。
4. 誰かと比較するクセを辞める
他者との比較は、多くの場合、自己評価の低下や不満を生む原因となります。他者の成功や能力を見て、自分を劣っていると感じることは自己肯定感を低くします。独自のペースや価値観で生きることの大切さを理解し、他者との比較から解放されることが必要です。
5. 見た目を変えてみる
外見の変化は、内面の変化や気分転換にもつながります。新しい髪型やファッション、メイクなど、自分の気分や好みに合わせて見た目を変えることで、自分への新しい視点や自信を得ることができるかもしれません。
まとめ
自分が嫌いだということは辛いことですよね。私もその気持ち、よく分かります。
私もかつては、自己肯定感がとても低く、自分を受け入れられずにいました。そのため、人のことをものすごく羨んだり、ねたんだりしていました。でもそういった気持ちはネガティブなものですよね。自分に全く良い影響を及ぼしません。
自分をありのままに受け入れられないのは、辛くしんどいことです。
こういった人は、プロの力を借りることをお薦めします。
私は、カウンセリングの力で今のように幸せになりました。ですので、あなたもきっと幸せになることができると思います。
私でよければいつでも力を貸しますので、いつでも言ってきてください。
一度しかない人生、限られた命の中で、精一杯幸せに生きましょう!
失ってしまった自信をどのようにして取り戻せるのか?
◆カウンセラー自身の壮絶なACとしての過去の体験についても触れながら、どのようにして自己肯定感を上げてきたのか、自信を取り戻してきたのかを、順を追って説明しています。とても読みやすいステップメールです。
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