人間関係リセット症候群とは

人間関係リセット症候群は、ある人間関係を終結または中断し、それを「リセット」する行動を指します。これは、関係のトラブルや誤解、ストレスなどの原因で起こることが多いです。

リセットされた側は、突然の関係の断絶に混乱や痛みを感じることがあります。しかし、リセットする側にも、関係を終結する判断の背後には深い感情や葛藤が存在することを理解することは重要です。

リセットされた側が相手の感情や背景を尊重し、冷静に対応することで、再び健全な関係を築く可能性も生まれます。

人間関係リセット症候群は悪いことなのか

人間関係リセット症候群について考えていく際、その行為が良いか悪いかを一概に決めるのは難しいものです。

関係のリセットは、リセットする側の一方的な決断の結果として行われることが多いため、リセットされた側は混乱や痛みを感じることが、当然あります。しかし、リセットする側にとっては、自己の精神的健康や生活の質を維持するための必要な選択となる場合もあります。

リセットの背後には、互いの価値観の違い、コミュニケーション不足、またはリセットする側の深い感情の葛藤が存在することが多いものです。そのため、リセット症候群を単純に良いか悪いかで判断するのではなく、その背景や原因を深く理解することで、より健全な人間関係を築くヒントを得ることができるでしょう。

私の元友人でも、特に何か起こったわけではなくても、一方的に関係を切られた経験があります。私は、最初はワケが分からず戸惑いましたが、今では、相手の背後に何か課題があるのだな、と思って納得しています。

人間関係リセット症候群の人の特徴

人間関係をリセットしやすい人には、特定の共通点や特徴が見られることが多いです。

完璧主義者であり、その高い基準が、自分自身と他者にも厳しく当てはめてしまうのです。そのため、彼らは相手の期待や要求を過度に重視し、自らの意見や感情を後回しにしやすいのです。

また、純粋で正義感が強く、細かな葛藤や不公平を強く受け取り、感情の爆発を引き起こすことがあります。

このような特徴は、生活の乱れや幼少期の対人関係での経験から来ることが考えられます。これらの要点を深く掘り下げて、人間関係リセット症候群の背後にある心の動きを理解していきましょう。

 

完璧主義:

完璧主義を持つ人々は、自分自身や他者に対して高い期待を持つことが多いです。このような期待は、期待外れの結果や失敗を経験する度に、人間関係のリセットを引き起こす原因となる可能性があります。彼らは小さな過ちも許容しづらく、それがストレスや関係の断絶につながることもあるのです。

私も一度、このような方とカウンセリングを経験しました。彼女(40代・女性)は、とても完璧主義でした。それは、母親からいつも高いスペックを求められ、彼女は幼少期から常に完璧でなければならない、としつけられたのです。

カウンセリングでは、このことについてセラピーが行われました。彼女自身、初めは「変わりたい」と思ってカウンセリングに来たはずなのですが、なぜかカウンセリングの継続を拒みました。

その後、私の方から彼女に公式ラインアカウントにてメッセージをし、「もしかして、あなたは、完璧主義を手放したら、自分が崩れ去ってしまうのではないか、という不安を持っているのではないですか?」と聞いてみました。そうしたら、彼女から返信があり、「そうなのかもしれません。完璧でなければ、仕事で出世も出来ないと考えているのかもしれません。だから変わりたくないのかもしれません。たとえ、生きづらさを抱えて生きていこうと…。」というメッセージをいただきました。

その後、彼女は突然、ラインを削除(もしくはブロック)し、私との関係を絶ちました。まさに、彼女はリセット症候群なのです。

 

相手優先:

相手優先の考え方は、自分のニーズや感情を抑えて、相手の要求や期待を優先する姿勢を意味します。長期的には、自分の感情や要求が無視されることで溜まったフラストレーションが人間関係のリセットを引き起こす可能性があるのです。

人は本来ならば、「まずは自分を大切にする」ことから始めなければならないのです。ですが、こういった人は、自分を大切に出来ないがゆえに、相手ばかりを優先し、それを繰り返していると、突然疲れてしまい、相手との関係を切ってしまうのです。

 

純粋で正義感が強い:

純粋で正義感の強い人は、不正や不公平を許容できない性格を持ちます。この性格が関係の中で小さな不公平や不正を大きく受け止め、リセットの原因となることがあるのです。

私の元友人もこういったタイプでした。彼女(40代・女性)も、とても純粋で正義感が強い人でした。彼女の父親は、彼女がまだ幼い頃、病気で死亡しています。ですので、彼女たち姉妹は、シングルマザーの母親によって育てられました。

母親は2人の子どもを育てるのに必死で、彼女たちを守ってあげられる余裕はありませんでした。彼女は、思春期のとき、見知らぬ男性に暴力を受けます。性的暴力です。そして、とても傷つきました。それで、知らず知らずの内に、「人はこうすべきだ!」「暴力はあってはならない!」と正義感を振りかざすようになりました。ですので、こういった人は、突然人との縁を切る可能性が高くなるのです。

 

葛藤を爆発させやすい:

リセット症候群の人たちは、葛藤やストレスが溜まると、突如として感情を爆発させます。この突発的な感情の爆発は、相手を驚かせることが多く、関係のリセットの原因となり得るのです。

 

睡眠不足などの生活の乱れ:

睡眠不足や生活の乱れは、感情のコントロールを難しくします。これが、人間関係での衝突や誤解を引き起こす原因となり、リセットへと導く可能性があります。

人は、ストレスを軽減させるため、最低7時間は寝なければならないと言われています。それ以下の睡眠時間ですと、身体の疲れが取れず、頭もスッキリとしないまま、日常を送ることとなります。

また、夜スマホをいじることで、眠りにつきにくくしていることも要因の1つと考えられます。スマホの放つ独特の光や、満載の情報は、時に人の神経を逆なで、頭をいっぱいにさせ、眠りずらくさせるのです。そのため、睡眠時間の乱れが起こる可能性もあります。

またゲームをするというのも、睡眠時間の乱れを生じさせる原因となっています。ゲームに没頭してしまうあまり、時間を忘れ、いつまでもゲームにこうじている、ということになると、夜の睡眠時間を削ってしまい、睡眠時間の乱れを引き起こすのです。

 

幼少期の対人関係の失敗:

幼少期の対人関係での失敗や傷は、大人になってもその影響を受け続けることがあります。これが成人時の人間関係でのリセットの原因となる場合もあるのです。

前述したクライアントさん(40代・女性)も、そもそも両親と上手く行っていませんでした。父親はほぼ家に居ずに、仕事ばかりで、子育てや家のことは、全て母親に押し付けてきました。母親は母親で、世間体を気にして、子どもたちに「常に優秀であれ」と言い続けてきました。彼女は、そんな両親を疎ましく思いながらも、家では常に「良い子」を演じ、外では悪い子として過ごしてきました。彼女の心の傷は癒えていないのです。

 

人間関係をリセットされた側の人が意識すること

人間関係が突如としてリセットされる経験は、多くの人にとって深い衝撃となるものです。しかし、その背後にはさまざまな要因が考えられるため、一つの出来事に固執するのではなく、全体的な視点での理解と受け入れが求められます。

リセットされた側は、あなた自身の行動や性格が原因だと感じるかもしれませんが、関係の中には複数の要因が絡み合っています。相手の行動の背後には、彼ら自身の葛藤や過去の経験が影響している可能性もあるかもしれません。

感じた気持ちや思いを無視するのではなく、それを認識し、自分自身を肯定することで、新しい一歩を踏み出す力を得ることができます。

 

あなたに非があるわけではない:

人間関係がリセットされる際、すぐに「自分に何か問題があったのでは?」と感じることがが、時として多くの人が感じることかもしれません。しかし、リセットの原因は一方的なものでなく、両者の相互作用の結果として生じることもあるのです。自分を過度に責めるのではなく、関係性の中での両者の役割を冷静に評価することが大切です。

なぜなら、問題は相手の側にあることが多く、自分が全く悪いことをした覚えがなくても、相手があなたとの関係を続けていくのが苦しくなったときに、人間関係のリセットが起こるからです。

 

頑張りすぎた反動だと考える:

リセットされる原因の一つとして、過度な努力や一方的な尽力が考えられます。関係を維持するための努力が過大になると、バランスを崩しやすくなるものです。その反動として、関係が断絶することもあるかもしれません。

もしあなたが、人間関係で頑張りすぎてしまう場合、あなたにも心理的な課題があるかもしれません。そういった時は、迷わず、カウンセリングを受けましょう。そして、ご自身の心理的な課題と向き合いましょう。

 

生きることに一生懸命な人なんだと理解する:

リセットを行う相手も、生きることの難しさや葛藤を抱えているものです。その行動の背後には、彼らなりの悩みや苦労が存在することを理解し、非難の姿勢ではなく、共感の心を持つことが求められます。

私も元友人に関係を完全にリセットされました。当初は正直、怒りの感情の方が強かったです。でもしばらく経った今では、彼女の養育環境を考えたり、彼女はリセット症候群なのではないか、と思うと、なぜ彼女が突如関係を絶ったのか、分かる気がするのです。

 

相手の行動を分析する:

リセットされた背後の原因を知るためには、相手の行動や発言を冷静に分析することが必要です。その行動にはどのような背景や感情があったのか、状況を整理し理解を深めることで、再発を防ぐヒントを見つけることができるかもしれません。

 

感じた気持ちを否定せずに肯定する:

リセットされた際の感情は、様々なものが混在しています。これらの感情を抑え込むのではなく、そのままの形で受け入れ、自らを肯定することが大切です。決して、自分のせいだ、と思う必要はありません。そういった感情の受け入れが、新しい人間関係を築くための第一歩となり得る可能性があります。

 

「人間関係をリセットしたい」と思った時にするべきアクション

人間関係において、「リセットしたい」と感じる瞬間は誰しもが経験することです。しかし、そういった感情が湧き上がった際に、焦らず適切なアクションを取ることが、後の関係を健全に維持する鍵となるでしょう。

そのような時は、まずは自分自身の長所や価値を再認識することで、自分自身の存在意義や関係性の意味を再確認することが大切です。

また、日常の忙しさから一時的に距離を置き、冷静に状況を分析する時間を持つことも大切です。

そして、自分や相手が一つのことや考え方に固執していないかを確認し、より広い視野での理解を深めることが求められます。

自分自身の長所を意識する:

人間関係の葛藤が生じた際、通常、人は否定的な感情や自己批判にとらわれがちです。しかし、このような瞬間こそ、自分の長所や強みを再確認することが必要です。自分の良い点や過去の成功体験を振り返ることで、自信を取り戻し、問題解決に向けた前向きなスタンスを取ることができます。

 

ちょっと立ち止まって考える時間を作る:

「リセットしたい」と感じる前に、一時的に距離を置いて考える時間を持つことが大切です。この時間を利用して、自分の感情や相手との関係性、発生した問題の本質について冷静に分析することで、適切なアクションや解決策を見つけ出すことが可能になります。

 

ひとつのことに特化させすぎていないかを考える:

人間関係の問題が発生した時、人は、特定の出来事や言葉に固執しやすいものです。しかし、その一点に焦点を絞りすぎてしまうと、全体的な関係性や背景を見失う可能性があります。問題の根本原因を探るためには、広い視野で事象を捉え、関係全体を評価することが求められます。

 

まとめ

突然人間関係を断たれた、という経験を持つ人は少なからずいらっしゃると思います。私も経験していますので、その時の怒りや戸惑いはよく理解できます。

ですが、世の中には、「リセット症候群」といった症状もあって、自分は悪くないのに、一方的に関係を切られてしまう、ということも起こり得るのが実情です。

そこで大切なのは、まずは、自分の自己肯定感を下げることなく、冷静に状態を観察することが必要となります。「これは私の言動が原因で起こっている事象なのか?」。それとも、「私は何か悪いことをした憶えがないよな。」といったことですね。

もし自分が何かした覚えがある人は、リセットした側の人に、率直に聞いてみると良いと思います。それでも、相手から何の反応も得られなかった場合は、それは相手の問題となります。まさに、その人は、「リセット症候群」なのです。

この際、リセットされた側、つまり関係を一方的に切られた側の人間は、怒りや戸惑いの感情が出てくるのは、しごく当たり前のことです。ですので、自分を責める必要はこれっぽっちもありません。

逆に、自分には何も非がないと思われるのに、関係をリセットされた場合、相手が、「リセット症候群」なのだと理解してあげることも大切かもしれません。

関係をリセットされた側は、正直、初めは怒りの感情の方が大きく、とても相手を許す気にはなれないでしょう。ですが、時間と共に「痛み」は癒えていきます。

そうしたら、この「リセット症候群」のことを知っていたら、相手はそうなのかもしれない、と理解してあげられることも出来ると思うのです。

そしてもし、あなたが、リセット症候群であったとしたら、一度自分を見つめ直す必要があります。なぜなら、こういったことを繰り返すと、最後はあなたは友人が1人もいない、孤独な人生を繰り返すことになるかもしれません。

これは、恋愛関係や結婚にも同じことが言えます。相手をコロコロと変えてみたり、特定の人と付き合うのが苦手だったり…。

こういった人は、いつまでたっても幸せにはなれません。

ご自身と向き合うためにも、一度カウンセリングをお受けになることをお薦めします。

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